石楠花のトンネル
日 時:2023年5月26日(金)~27日(土)
場 所: 甲武信ケ岳
参加者: Ok(L) 他3名
行 程:
5/26(金)
東京6:52 ⇒大宮7:17 ⇒佐久平8:15/8:31 ⇒信濃川上 9:55/10:10 → (タクシー) →毛木平(1465m) 10:30/10:45 ……大山祇神社11:15 ……慰霊碑11:35 ……ナメ滝 12:50/13:10……千曲川・信濃川水源地標14:45/14:55……縦走路 15:20……甲武信ヶ岳(2475m) 15:50/16:05…甲武信小屋 16:25
[歩行時間約:5時間40分(含休憩)]
5/27(土)
甲武信小屋 6:30……木賊山(2468.8m) 6:55……戸渡尾根分岐7:05……徳ちゃん新道分岐9:20……西沢山荘(1154m) 11:40……ねとり広場11:50/12:30……道の駅みとみ12:55/13:12 → 塩山14:12/15:18 ⇒高尾16:32
[歩行時間約:6時間25分(含休憩・撮影)]
5月26日(金) 薄曇り
行ってみたかった甲州、武州、信濃の県境にそびえる甲武信ヶ岳。せっかく行くならシャクナゲの季節にと考えたものの、やはり土日の小屋は満員だったので、金曜日の一泊として出かけることにした。
東京から佐久平経由で小海線に揺られ、信濃川上からタクシー(¥7300)で、レタス畑の脇を走り毛木平に着いた。早朝に自宅を出てから約4時間半。天気と新緑に励まされて出発する。毛木平からは、西沢に沿って、林道を緩やかに登っていく。大山祇神社で山行の安全を祈る。林道は終わったが広い登山道で、斜面には薄ピンクのシャクナゲが所々に咲いている。慰霊碑(戦前の水害の犠牲者の慰霊碑)を過ぎると登山道らしくなってきた。周りは新緑のカラマツ林で明るい。この先、小屋のHPで注意を促されて役場に確認した、傾いた木の階段があったが、乾いていたので、右側の岩をつかまりながら難なく通過した。
その後は危険な箇所もなく、登山道を進むとナメ滝に着いた。大きな岩の上を滑るように流れる滝を眺めながら昼食とする。辺りは静かで流れの音だけが聞こえる。10人ほどのツアーの登山者が登っていった。
まだまだ先は長い。「千曲川源流まで2.1km」の表示。足元には、白い可憐なバイカオウレン(梅花黄連)が咲いている(白い花弁のようなのは萼片で、中心にある黄色の五弁が花だそうだ)。対岸から鹿がこちらを見ている。我々は登山道をひたすら登ること約1時間半。やっと水源地標に着いた。この小さな沢から、千曲川となり信濃川に合流して、日本海までの約350kmの旅が始まるそうだ。
ここからは、今日初めての急坂を登って縦走路に。やっと、木々の間から山並みが見える。左へ、シラビソの林を行くと視界が開け、今日初めての富士山が見えた。林のなかの道からザレ場の急登を登りきり、甲武信ヶ岳の頂上に到着した。誰もいない。上空は曇っているものの、富士山の全容をはじめ、金峰山の五丈岩、八ヶ岳などの眺望を楽しめた。反対側の林を下り、甲武信小屋に着いた。この日は、40人ほどの宿泊客とかで、ゆっくりと過ごせた。
5月27日(土)晴れ
小屋が東向きなので、小屋の二階の窓から日の出を見る。下界は雲海に覆われている。昨日、頂上からの眺望を楽しめたので、まっすぐに下山することにした。
木賊山方面の道には、ハクサンシャクナゲの群落があるが、まだ蕾は固いようで、これから楽しめそうだ。一つピークを巻き、その先の花崗岩のザレ場の途中から、振り返れば、青空の下、おむすびのような甲武信ヶ岳、遠くに富士山、鳳凰三山、白峰三山、金峰山、八ヶ岳などがはっきりと見渡せる。ザレ場を登りきると木賊山。埼玉県の真新しい道標が立っている。少し歩くと戸渡尾根分岐。真っすぐ行く道は雁坂峠へ。
右へ、シラビソの林を下る。ここにもバイカオウレンが咲いている。苔の黄緑色がみずみずしい。途中の展望できる花崗岩のザレ場からは、富士山と広瀬湖が見渡せる。ここからは、木の根が張り出した急坂を慎重に下る。今日は土曜日なので、時折、登ってくる人とすれ違う。この急坂を登るのは大変そうだ。
急坂が終わりになる頃、シャクナゲのトンネルが始まった。真っ赤な花はもうすぐ咲きそうだが、ピンクの花はちょうど満開だ。傾斜も少し緩み、写真撮影に忙しい。
下りきって登り返すと、徳ちゃん新道への分岐。今日の行程のやっと半分くらいか。ひたすら下る。だんだん、シャクナゲが少なくなり、ミツバツツジの紫色が新緑に映える。さらに下ると、新緑のカラマツ林。秋の黄葉は素晴らしいだろう。最後の急坂を下りきったあたりには、
朱色のヤマツツジが新緑の林に彩りを添えている。だんだんと沢の音が聞こえるようになり、西沢山荘脇の甲武信ヶ岳登山口に到着した。ねとり橋のたもとの広場の東屋で昼食をとりながら反省会。
二日間、穏やかな沢沿いのひたすら登る道と、緩急のある尾根をひたすら下る坂道と、全く違う様子の道を歩いた。そして、今の時期しか見られない、新緑や花々に癒されて、何事も無く、無事に歩き通すことが出来た。暑くもなく寒くもなく、天気も良く、楽しい山行でした。
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