天空の庭園 苗場山
日 程:2023年8月4日(金)~5日(土)
場 所 :苗場山
参加者:Ez 他7名
天 候:概ね晴れ、一時雷鳴あり
行 程:
8/4(金)東京駅13:40発、大宮駅14:05発 とき323号にて出発 越後湯沢着14:59
ジャンボタクシー利用 下車後散策しつつ和田小屋へ15:00頃到着・前泊
8/5(土)和田小屋6:40→(リフト専用バンで乗り場まで移動)リフト頂上駅7:05→7:15下ノ芝→8:05中ノ芝→上ノ芝→9:15神楽ヶ峰→9:40水場→11:25苗場山山頂小屋
(休憩)湿原ベンチ付近12:15→雷清水付近13:30頃→神楽ヶ峰→下の芝→分岐15:30→16:40和田小屋→(ジャンボタクシー利用) 17:25越後湯沢駅
越後湯沢到着からジャンボタクシーで一気に和田小屋目前のゲレンデ到着が15時過ぎ、当日は11時頃まではオフィスにいたのにその4時間後にはヤナギラン咲き乱れるゲレンデでポッカリ浮かぶ雲を眺めながらビールを楽しんでいるなんて!東京駅のホームは夏休みの週末、ものすごい人出と異様な熱波で気が遠くなるようだったが、今は別世界。もうそれだけでも来た甲斐があろうというもの。和田小屋の食事は民宿と同じ位の充実した内容、
お風呂まであり、山小屋以上のものだった。明日の道中の好天を祈りつつ即就寝。
翌朝、たまたまであろうか、小屋前で集合している時にバンが止まり、「リフトまで行きますか?」のお声がけをいただく。「Yes!」座席は6人掛けだったのでKさんとわたしは
後ろの荷物室で直接座り揺れに備えて手すりになるものを探しスタンバイ。一足先に小屋を出て徒歩で向かっているよその人達を追い抜きリフト乗り場に到着、3人掛けのリフトはぐんぐん上昇し、10分足らずで一気に頂上へメンバー全員を運んでくれる。
『ゆっくりと慌てずに』をモットーに途中給水休憩をこまめに取りつつ次々に登場する花々を愛でながら山頂を目指す。ひかえているだけでも10何種類以上の花々が道中入れ替わり立ち代わり登山者を楽しませてくれる。山の上にお花畑がありますよ、というのと違い、道々ずっと咲いてくれていて、ああこれからここを登ってゆくのだ、と見上げる険しい山の稜線、崖っぷちにも色とりどりの花が群生しているのは私にとっては珍しい風景だった。
悪路と感じられるところもさほど無く、順調に標高を上げて行く、背後には、5週間前に
格闘した平標、そして重なるように仙之倉、万太郎、そして遠くに谷川が見てとれる。予定より1時間程遅れて、まあ良いではないかとゆっくり山頂で過ごす。人であふれかえっているわけでもなく、昼食をとるベンチ群も快適な感じ。
今回のメンバーで苗場山に初めて来たのは、私も含め2名だった。その他の皆さんは常連さんのようであったが、それでも日頃
なかなか見れない池塘やお花畑の続く久々の風景に心動かされている様子だった。比較的ゆっくりと休憩を取り、下山開始。と、ここで予定より約1時間半近く遅れていたのだが、それが後々大変なことになる。
下山開始後、しばらくして東側より黒い雲、そしてゴロゴロと言う音が聞こえて来ていた。雨は降る感じではなかったので一同通常の感じで歩みを進めていたが、雷清水直前で背後から突然バーンと言う金属の炸裂音が響き渡った。一瞬何だかわからなかったが落雷だ。
脚の不調予防のため薬を服用するメンバーがいたため、しばらく進行を中止、私は雷が怖いからその間を利用して、ザックに挿していたストックを無理やり中に押し込み、ピアスと腕時計も外す。ザックのファスナーの取っ手も中に入れ込み出来るだけの対策はしたつもりであったが、往年のメンバーは、誰もストックをしまうことなく平然としている。度胸の差と言えばそうなのかもしれないけど。皆さん本当にあの時は平気だったのでしょうか?
山頂で出会った若者数人が足早に我々を追い越す。「雷が怖く、先を断念しました。」と言ってトランシーバーまで装備した若者達もそそくさと先を急いでゆく。神楽ヶ峰に登るときに雷雨にモロ当たると嫌だなーと思いつつ、わが隊列は進んで行く。皆無言でやや足早だ。ところが神楽ヶ峰に着いた頃には雷雲も晴れ、救われた感がした。そのあたりから、「来るときこんな悪路、登りましたっけ?」と誰もが言うほど、大きな石がごろごろとした下山道となり疲労もあるのか非常に歩きにくく思った。雨が降ったのだろうか?湿気を帯びて気を許すとツルっと足を捻って周りのぬかるみにダイブしてしまいそう。そのような道が続いては、5m程の木道、そして再び石ゴロゴロの繰り返しでようやく和田小屋への分岐に差し掛かる。もうこの鬱蒼とした林を抜けると一気にゲレンデの草原なんだと信じて疑わなかったのは私だけではなかっただろう。ところが行けども行けども林は抜けず、相変わらずの悪路。
ようやく抜けたと思った時には小屋が真正面に見えるような位置だった。当然予定より大幅遅れで下山終了、予定より1時間40分程の遅延であった。もちろんまだ日は高かったが、冬場であれば暗くなりかけていただろう。後日リーダーより猛反省メッセージを
頂戴したが、山頂で早めに切り上げる声を誰一人挙げなかったことも遅延の原因のひとつだったかもしれないのではと反省する。ただ、充分な休憩を取って怪我無く全員無事降りてこれたのは、この“ゆっくり”のたまものだったのではないかと思うにつけ、一概に遅延を
咎めるのも考えものとも思える。
しびれを切らしたタクシーに慌てて荷物を積み込み一路越後湯沢駅に。途中で激しい
雷雨に遭うも車中だったので助かった。雨上がりの蒸した駅前の温泉銭湯で汗を流し、各々わずかな自由時間を過ごした後、駅始発のガラガラ新幹線で全員お互いの頑張りを労い
たたえつつ帰京の途に就いた。 了
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