top of page
検索
執筆者の写真M.H

安達太良山

今回は友人の誘いでくろがね小屋泊で安達太良山。くろがね小屋は温泉付きで評判が良いというのは何となく聞いたことがあって、普段は山小屋を利用しない私もいつかは行ってみたいと思っていたところだった。

冬季の東北遠征ということで道路状況が気になっていたが、福島に到着してみると街中は全く雪がなく、山に雪があるのかも不安なほどだった。その後、スキー場に向かう途中から雪があたりに出てきてようやく雪山らしくなった。

初日は時折雪がちらつく予報通り今ひとつの天気で、2時間半ほどで小屋に到着した。小屋はいくつかの部屋に別れていて、我々は4人パーティで5人部屋に入れられたので、非常に快適だった。予約制というものの人気の小屋ということでギュウギュウ詰めを想像していたのだが、こういった所も評判の秘密なのだろう。ネットではぬるいなどの情報もあったが、噂の温泉も熱めの良い湯加減で気持ちが良く、晩飯のカレーも美味かったので三杯も食べた。

2日目は前日に比べて空の色が心なしか青く、期待に胸を膨らませて出発する。普段の山行より遅めな7時ころの出発ではあったが、小屋泊の人たちはまだ誰も出発しておらず、トレースがすべて消えていた。ルートは竹竿で示されていたが、トレースが無いところを歩くのは気持ちが良い。ガスっていて幻想的な雰囲気の中、まずは峰の辻まで進む。過去に雪崩にあったという区間らしき地点のトラバースはなかなか楽しかった。稜線に出たら風が強いかと思っていたが、峰の辻ではまだまだ余裕。予定通り鉄山へと向かう。しかし、馬の背と牛の背の合流する稜線に近づくにつれて風が強くなり、体の軽い女性陣が前に進めなくなってしまったため、やむをえず峰の辻まで撤退して安達太良山に直接登ることにした。峰の辻まで戻ってきた頃にはすでに安達太良山に多くの人が取り付いているのが見え、我々もその後を進む。山頂下の稜線では先程の風が嘘のように収まっていて、山頂にたどり着いた直後にはちょうど青空がのぞき始めた。後続パーティの誰かが「これが"ほんとの空"」だと言った。撤退したルートを辿らなければ山頂で青空に恵まれることはなかっただろう。我々はこの幸運に気分を良くしてゆっくりと下山を始めた。


閲覧数:32回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page