アルプス古道 伊藤新道
日 時 2024年8月10日(土)~12日(月)
場 所 北アルプス伊藤新道・裏銀座
メンバー T氏 S氏、K氏
行 程
8月10日(土)晴れ
日野(5:00)→七倉ダム(11:00)車→高瀬ダム(11:30)タクシー
入山(11:45)→湯俣晴嵐荘前テン場(15:00))
七倉ダムから高瀬ダムへのタクシーは、山の神トンネルを抜けた辺りの土砂崩れのため一度タクシーを降りて1.2㎞程土砂崩れ区間を歩き、再度別のタクシーに乗り継ぐというややこしいシステムになっている。タクシー料金は、人数に関係なく前半部は1000円/台、後半部は1300円/台。下山時の高瀬ダム→七倉ダムのタクシーは16時までで、それ以降は高瀬ダムの東側高瀬隧道口にある公衆電話で呼び出すことになるが(この辺りから稜線上の水晶小屋辺りまでは携帯は繋がらない)、下手をすると大町からの迎車となるため結構時間かかる恐れありとの事。七倉までは歩くと1時間半程度かかる。12日の下山時はかなり疲れているだろうから、林道歩きを避けるべく、是非とも16時までには下りたいものだと一同合意。
11:45高瀬ダム東端の高瀬隧道から入山。高瀬川沿いに平坦な林道を3時間ほど歩いて15時に湯俣に着いた。高瀬川右岸には三俣山荘の経営する湯俣山荘がある。最近営業再開したようで、お洒落なバーはあるが、風呂はなかった。伊藤新道が昨年開通した時に新設した第三、第五吊橋が雪崩等により崩壊し、通行止めとなっているせいか、ここで新道入山届の提出を求められた。
対岸の晴嵐荘にはジップラインで渡る。乗降の際、椅子をカラビナで固定するが、固定解除を忘れると対岸からロープを引いても動かないので、対岸から来る人のために必ず解除する事。ちなみに翌朝ジップラインを渡ろうといたところ対岸に固定されており、仕方ないので渡渉で渡って伊藤新道に入った。
晴嵐荘の内風呂は1000円で入れてもらえるが、一つしかないので男女適当に順番に入る。露天風呂は適当に河原を掘って自製できるが、スコップがないと困難だろう。後で知ったことだが、20-30分ほど遡ったところにある天然記念物、噴湯丘近辺にひとの掘った露天風呂が幾つかあり、テント客はここに入りに行っていたようだ。但し女性も多いので水着持参のようで、ないと気まずいかもしれない。
8月11日(日)晴れ
起床(3:00)→出発(5:00)→第一吊橋(6:30)→第四吊橋跡(10:00)
→第五吊橋(11:30)→展望台(14:30)→三俣山荘(16:30)
今回の山行のメイン、伊藤新道を遡る。人によって感じるところは様々だろうが、私の感想としては、メインの無い沢登り。綺麗なナメや迫力のある滝といったご褒美もなく、渡渉を繰り返しつつ5、6時間ゴーロを歩いた後3時間の急な詰めを登り、2時間の一般登山道を経てテン場に辿り着く。新道と名はついているが、渡渉の数は10回を超え、腰近くまでつかることもあるので、ある程度沢の経験が必要だろう。
景色としては、第五吊橋付近からの硫黄岳方面の殺伐とした風景はまるで異星の様で興味深かった。また三俣山荘手前のトラバース道のお花畑には心癒された。
11時間強の長丁場の後ようやくテン場に辿り着くと、信じられないことに超満員で設営場所がない!仕方ないので、今晩は雨は降らない、と決し雪渓の雪解け程度の小さな流れではあるが、テン場を流れる小さな沢中に設営した。伊藤新道はマイナーでも、稜線に上がれば人気ルート。考えが甘かったと反省。
8月12日(月)晴れ
起床(2:00)→出発(3:30)→水晶小屋(6:30)→真砂分岐(9:00)
→烏帽子小屋(13:00)→高瀬ダム(16:05)
上述の通り16時までに高瀬ダムに降りるには、竹村新道の分岐点である真砂分岐に8時までに着けるかどうかがポイント。8時を過ぎれば16時下山は難しい。昨日の疲れからペースが上がらない。結局分岐着は9時になってしまい、この時点で竹村かタクシーか検討した結果、疲れがたまった状態で結構きついと言われている竹村を下って、更に1.5時間の林道歩きは、出来れば避けたいという事で、コースタイムが若干短い裏銀座-ブナ立-高瀬ダムルートに変更することとした。幸い水晶辺りからは携帯がつながる場所も出てきたので、下山連絡先であるSeさんにこの変更の旨メールを入れ、了解を得た。
しかし裏銀座の縦走ルートも長い。またこの日は快晴でとにかく暑い。多少ペースは上げつつも、バテては何もならないので、水分、電解質をしっかりとりながら歩き、歩いて高瀬ダムに16:05着。間一髪アウト、残念!と思ったら、一台いた。高瀬ダムの西側もトンネルになっているが、S氏とK氏が話しているのがトンネルの中で響いているのを運転手が聞きつけて待っていてくれた。何ともありがたいことで、ホッとした。
下山後は葛湯高瀬館で入浴。帰途に就いた。
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