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執筆者の写真M.H

池山尾根から権現ヅルネ経由下島駅まで中ア縦走

日程:2020/08/14~16

メンバー:M.H

1日目:晴のち曇

 10:15 駒ヶ池BS→12:08 池山 → 14:21 ヨナ沢の頭 → 15:24 空木平避難小屋

2日目:晴のち曇

 4:00 空木平避難小屋 → 5:00 空木岳 → 6:26 東川岳 → 7:38 熊沢岳 → 9:11 檜尾岳 →   11:37 宝剣岳 → 12:19 駒ヶ岳頂上山荘 → 休憩後駒ヶ岳山頂散策

3日目:晴

 4:30 駒ヶ岳頂上山荘 → 4:40 駒ヶ岳 → 6:30 将棋頭山 → 7:26 茶臼山 → 8:20 西駒山荘 → 10:21 辻山 → 11:02 権現山 → 13:45 下島駅


コロナ騒ぎで帰省しそびれた盆休み、家で燻るのは余りにも惜しいので、できるだけ混雑を避けて好天を目指し、始めは易老渡から聖、光岳縦走のつもりだったが、易老渡から先が通行止めと言う事で中央アルプスに決定した。今回はコロナ騒ぎと関係なくロープウェーを使う気は毛頭ない。標高差2000mの長大な池山尾根を伝って空木岳を目指し、そこから木曽駒を越えて徒歩で下山するのがテーマであった。


初日は始発電車に乗り、チンタラと普通電車で駒ヶ根まで。18切符を買っておけば良かったのだがすっかり失念していた。おまけに駒ヶ根でもSuicaが使えず駅員に嫌な顔をされた。無人駅なので精算処理をしないと発車もできないのだから無理もない(次回から気をつけよう)。駒ヶ根駅を10時くらいに出るバスに乗り込み、15分程で着く駒の池で下車する。付近の駐車場は一杯で、ロープウェーは30分待ちとの放送があった。コロナ対策で定員を減らしてるのか、平常運転なのかしらないが、人が多いのは間違いないだろう。登山者らしき乗客は他にもいたが、ここで下車したのは私一人、望むところだ。下車してしばらく車道を歩き、脇にある登山道に入る。少し上がったところの駐車場には10台以上の車が停まっていて、思ったより人が多いかと思いきや、道中続々と下山してきてそれが杞憂とわかった。相当な標高差だが、日帰りも少なく無いようだ。


この日は避難小屋までの予定、天気も良いと言う事もあり、池山を巻かずに登る事にした。あっさりつくかと思いきや、思ったより手強くなかなか着かない。巻いとけばよかったかなとやや後悔していたが、着いてみれば意外に眺めがよく、休憩には良いところだった。一休みして少し進んだところで池山小屋。ここでこの日と翌日の行動用の水約5lを担ぐ。約3kg程重量が増し、ズシリと重い。特にマセナギを越えてヨナ沢の頭までは苦しい登りが続いた。しかし、ようやく到着した空木平避難小屋周辺には沢が流れていて、ここまでの苦労はただのトレーニングという事になってしまった。小屋に到着したころには空木岳山頂はすっかりガスっていて晴れていたら登ろうと言う気持ちは完全に萎え、早々に飯にした。自宅で精米した無洗米を炊いたが、やや硬かった。この時は水に浸す時間が短かったためかと思ったが、翌日は行動中水に浸しっ放しでも変わらなかった(寧ろ硬く感じた)ので原因はそうでなく気圧が低いなりの工夫が必要だったという事だろう(一応重しはしていたが、圧力はかかっていなかった模様)。調べてみると水を多めにするとかいろいろ情報が出てきたので、これについてはいずれまた試してみたい。空木平避難小屋は小さな小屋だったが、先客は6名程、ゆったり場所を使うことができた。暗くなってきてもう自分が最後だろうと思って荷物を出しっぱなしにしていたら、夜中に一人来て慌てて横によけるはめになった。噂の幽霊には遭遇せず。


夜中はかなり風が強く、稜線歩きが躊躇われたが、明け方になるにつれ徐々に弱まり、予定通り四時に出発する。昨日最後に小屋に来た青年と抜きつ抜かれつ空木岳を目指すが、途中でルート外れの警告がスマホから流れる。確かにこのまま進むとハイマツ帯に入るが、何とかなるかなと思ってそのまま進む。結果的に厚いハイマツ帯に行く手を阻まれ何ともならず…。長丁場の日に手痛いミス。そんなこんなもあって山頂手前付近でご来光を眺める。山頂は朝日に照らされ美しい。山頂からはこれから向かう縦走路に思いを馳せ、テンションがあがる。しかし、徐々に木曽側から吹く風でガスがどんどん上がってきて、南駒方面は曇り気味、空木岳も下山中にガスに覆われた。木曽側のガスと伊那側の朝日に挟まれ、道中にブロッケン現象に遭遇出来たのはラッキーだった。

東川岳へ取り付き、登っていくにつれ、背後の空木岳が姿を現して来た。天空の城塞の如きその姿、ここから眺めてみたかったので感激もひとしお。あとは快適な稜線漫歩と思いきや、稜線を巻いてのアップダウンがあり意外と疲れる。木曽殿山荘の先から静かだった縦走路も檜尾避難小屋やロープウェーからの縦走者がチラホラと現れてくる。さすがに盆休み、好天、日本アルプスと来れば人がいない訳はないのだ、仕方ない。檜尾岳を越えて見るからにキツそうな濁沢大峰の下り、登り返しを越えるといよいよこの日のクライマックス、宝剣岳の取り付きだ。取り付きでは関西弁風の2名が降りてきたところで、足がすくんだとか怖かったとか言っていて、こちらも緊張感が高まる。疲労もピークに達しているので、一息入れる。夏期に子連れで宝剣山荘側からのピストンは経験があり、高を括っていた面もあったが、今回の縦走で南側の方が断然危険度が高いと感じた。子連れの時は行かなくて良かった。


宝剣岳山頂からは観光地ムード。山頂も混んでいるので祠を撮って早々に下山。中岳を越えてこの日の幕営地が眼下に見える。4,50張りはあったろうか。コロナでテントを減らすような話もあって恐る恐るだったが、意外にもすんなりと受付完了。やや不便だが風下の端の方にテントを設営し、少し休憩して山頂付近を散策。その後もテントは増え続け、空いていた周囲もすっかり埋まってしまった。ロープウェーで日帰り出来るこんな所にテント泊するのは自力でテントを担ぎあげるガチ系の登山者かと思いきや、オートキャンプに毛が生えたようなユルい雰囲気で、夜までやかましいのもチラホラ。幸い(?)長旅の疲れでウトウトしているうちに静かになった。


3日目も4時出発予定だったが起床時刻の3時にはまだ眠く、タイミングが合えば山頂で御来光でも見ていこうと少し遅めのスタート。山頂にはすでに御来光待ちの登山者の姿が多く、そのあとも続々と登ってくるので、早々に下山開始。しばらくは眺めの良い稜線歩きなので山頂にこだわらずともどこでも日の出は見えるし、他に誰もいないので他人に気兼ねすることがないのがいい。さらに朝日に照らされる駒ヶ岳も見られて満足して将棋頭山へと向かう。将棋頭山から戻って権現ヅルネから下山する予定だったが、この日は下山だけ、しかも天気が良いということもあるので、眼下に見える茶臼山まで足を延ばすことにする。手持ちの山と高原地図では道がつながっていなかったが、ハイマツの間に道がついており、ルートログでも歩いた軌跡はあったので茶臼山分岐まで直接下る。茶臼山手前の行者岩は遠目から見て気になる山容だったのでぜひ行こうと思っていたが、そこまでの道が思ったよりも悪くて疲れたのと、目の前に見える茶臼山の山頂が樹林に囲まれて眺望もなさそうなので茶臼山まで行くことを少し悩み始めてきた。しかし、最終的にはこの天気で茶臼山に行く機会もそうそうないだろうと先へと進む。途中は朝露を帯びたシャクナゲやハイマツが行く手を遮り、雨でもないのにズボンはびしょ濡れ。ここでもやや後悔をしてきたが、山頂に着いてみると思いのほか開けていて北アルプス方面もよく見え、満足いく結果となった。ここから西駒山荘に登り返し、水を補給して下山を開始する。下り始めの少しの間は眺めがよかったが、森林限界を下回りしばらくすると笹薮が繁茂した道になる。道がわかりづらいと不安になっていたところで、アプリの警告が鳴る。前日のルートミスの件もあったのでここは素直に従って、笹薮をかき分けてそちらに行ってみるとルート復帰の案内が出たが道は見えない。とりあえず尾根伝いに進んでみるも笹薮の切れる気配はなく、そうこうしているうちに元の場所もわからない状況に陥った。笹薮の薄そうなところを目指しても単純に凹んだ場所だったりして、あちこち歩くのも辛い。とにかく沢筋に下りないようにだけ心掛け、最終的にはアプリのルートログを無視してもと歩いていた方向に進み、道らしいところに出た。しばらく進むと登山者が登ってきてそこが間違いなく登山道だとわかり一安心したが、ここで大分体力を消耗してしまった。その後もこれまでの疲れもあってペースが上がらない。ようやく到着した権現山は地元の子供が登った時の記念碑が多数立てられているような里山で、あとはもう大丈夫かなと安心し、権現水の標識がある方向へと歩き出す。急な斜面を降りてほとんど水が出ないところに出ると行き止まり。地図を確認してみると全然違うところにいる。標識はただの水場の案内だったらしい。少しの距離ではあるが急な斜面の登り返しが堪える。改めて山頂付近を偵察してみると下山道を発見。こっちにも標識をつけておいてほしいと思いつつ、下り始める。長い下りの終盤、スキー場手前の沢で体を洗い流して少し回復したが、遮蔽物のない車道歩きは登山道よりずっと暑い。途中のコンビニでビールと弁当を調達し、一息つく。軽く小腹を満たしたところであとは駅前で調達しようと下島駅に向かったが、駅には売店、コンビニはおろか自動販売機やトイレ、あまつさえ券売機すらない無人駅で電車がつくまでしばらくの間さらに暑い中待つことになったのであった。


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