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雲取山 雨のテント泊体験

日 時:2024年8月24(土)~25日(日)

場 所: 奥多摩 雲取山

メンバー:T(L)、Im、Sa、Aw

天 候:概ね雨、時に雷雨

行 程:8/24(土)三鷹5:09=立川5:35=青梅6:06=6:46奥多摩7:00=7:34鴨沢バス停

        鴨沢バス停7:40 - 8:15村営駐車場 - 9:35水場9:45 - 10:15堂所 -

        10:35富士見ターン - 11:20小屋下分岐 - 11:50七ツ石小屋(テント泊) 


    8/25(日)七ツ石小屋6:40 - 7:12ブナ坂 - 7:50ヨモギの頭 - 8:15小雲取山 -

       8:35 避難小屋 - 8:40雲取山山頂 - 避難小屋9:15 - 10:05ブナ坂 - 七ツ

       石山10:25 - 10:50七ツ石小屋11:25 - 堂所 - 13:15村営駐車場 - 13:50鴨

       沢バス停


かねてから計画のあった山行が天候不良で中止になり、テント未経験者のステップアップも兼ね雲取山テント山行の企画がなされた。Mさんの「重いテントを担いでまあ行ってみなはれ」のお言葉に触発され、一から十まで自己完結のテント山行というものを未経験でコンプレックスを抱いていた私も同行させていただくことになった。大変だ! 急遽テントは会のものをお借りする。前日にSさんよりレクチャーをしていただき組み立て練習。食事は⁉ 各々で用意ということになりバーナーだガスだと早速揃え慌ただしく出発する。

不覚にも朝出発の前にザックの重量を計測していなかったが、帰宅後濡れたテントや衣類込みで12,5㎏あったので恐らく飲物や食材トータルで優に15㎏はあったかと思われる。駅の階段で後ろからちょっと引っ張られただけでも恐らく転倒してしまったことだろう。

バス停から山道っぽい民道を経て村営駐車場まで登るのであるが、皆 普通の足取りでどんどん進んで行く。私はといえば喘ぎ喘ぎしながらヨロヨロついて行く始末。きっと断末魔の苦しみってこんなんよ、とか思いながら一番後ろからひとり喘いでるのは傍目にも滑稽だったろう。

この後先どうなることやらと思っていたが、駐車場からは荷の重さに身体がなじんだのか、もしくは最後尾の私の姿を見かねてTさんが速度を緩めてくださったのか、まあまあ辛くない状況で足を進めることができた。

鴨沢コースは、七ツ石山まで「将門迷走コース」と不名誉な名前のコースがついており、駐車場にはご丁寧にもその通りの名前の幟まで立っていた。従者、愛妻と九十九人の側女と共に若干38歳であった将門が彷徨ったであろう山道を私は重いけれどザックひとつで歩いている。お気楽なものだと申し訳なく感じる。

午後から降ると思われた雨が早くも10時前より降り出し、いよいよ本降りとなる。登山道はだんだん小川のようになってゆき極力避けたかった雨具を全員装着して七つ石小屋までたどり着く。幸い、テントの設営と撤収時は、天の恵みか雨が止んでくれた。それ以外はほぼ降っており夜間は雷を伴う雨が時折ひどく降るという状況であった。山頂での稲妻はいろんな方向から光がさして不謹慎かもしれないがオーロラのようなイメージで美しいと思った。いつも夕立で遠い方向の雲の中で稲光がぼんやりと輝いて美しく見える時、山頂はこうなってるんだろうなと思った。それよりも怖かったのは、就寝後背丈の低い何か動物がハァハァとすぐ側に来た!テントごとかじられたらどうしようとかあらぬことを思い思いしているうちにどこかへ行ってしまった。また獣か鳥かわからない異様な鳴き声が…こちらもだんだんと遠ざかっていた。何もかも夢うつつかもしれないがはっきりと聞こえた。身体が濡れているせいか震えて目が覚めることが何度もあったが、着替え自体すでに濡れていたこともあり就寝中に着替えることは断念した。

翌朝、テント内に置いた荷物もタオルも何もかもぐっしょりと濡れていた。着替えもお金も駐輪券も何もかもだ。タオルは絞るとザザッと水が落ちる。ただ、小屋に荷物を置いて頂上までの往復は楽勝だと思った。

相変わらずの雨の中、雷は鳴っていないがしとしとと降る。おしゃれな奥多摩小屋というのがほぼ完成しており、あとはオープンを待つばかりという感じであった。盛りを過ぎたマルバダケブキの原っぱはお世辞にも美しいとは言い難い。鹿フェンスが結構張り巡らされ、ゲートも2か所、こちらは最近設置されたのか新しかった。山頂はほとんど人がいなかった。また予想通り周囲の見晴らしは全く望めなかった。7年前に雲取山荘からご来光を見ようと来た時は押すな押すなの大渋滞だったので(2017年は標高と同じ西暦で私も例にもれず山頂を目指した)あまりのイメージの違いに別の場所かと思える程であった。

下山時はあたり一面うっすらと霧がかかり幻想的だった。あまりに薄く一面を覆う霧だったので疲労で目がかすんでそう見えるのかと思ったほどであった。前を行くImさんに言うと、「霧なんてかかってないよ。」 嘘つきと私が抗議する。Imさんは、子供だけで数回、一度は雪中を登り、その後青年期には自転車を担いで登った経験もあるそうで、雲取は隅々まで熟知しておられる。さながらナビゲーターのようだった。

下山してSaさんから飲物やテントなどの重量のあるものは、ザックの上側に置くものであるとご指摘をいただいた。もっともなことである。私のザックは下方が別室でファスナーがありそこから物を簡単に取り出せるようにもなっており、往復ともテントはそこに押し込んでいたのだった。その通りだとは思いつつ、まだ取り出すであろう飲物や行動食、着替えなどの上に濡れたテントを置く気にはなれず、最後までテントはザック底にいてもらった。頑固者ですみません。

さて、懸念された食事はもともと料理が嫌いではないこともあり、準備をしていてさほど大層な思いをせずにありつけた。皆さんのそれぞれのお食事内容は大いに参考になった。

テント内の雨水の漏れは、呼気ではないかと言われたがテント内壁は湿っておらずやはり雨水であったように思う。グランドシートを別に敷くとか工夫をすればよかったかもしれない。Saさんがシルバーシートを用意してくださっていたのでそれだけでも格段に違った。水漏れはテント側面からのように思えたのでその対策はどうしたものか。また、ザックも雨とわかっていたなら、内側にビニール袋を入れておくべきだったとか、いろいろな振りかえりがある。

帰宅後、娘と電話で一連の山行を話すと、「雷雨の中でテントなんて、ママは無謀だ。」と大層叱られた。無謀だったんだろうか。全くそうは思わないで帰って来たのだけれどなあ。  了

[T追記]

 甲斐駒への会山行が天候理由で中止になり、自分は普段日曜休みでないのを折角都合つけていたので、代案はないかと考えた。山の天気も含めて予報を調べると、関東甲信越でこの土日に相対的に天気が悪くないのは南関東。そこで雲取山へのテント山行を直前の例会で提案すると、3人に参加してもらえた。多少は雨に遭うことを承知してもらい、結果悲惨なほどにはならず、テン泊経験のための山行としては手頃に降られて丁度良かったものと思う。

 3つのテントで自分のだけがダブルウォールで、フライが本体に張り付かない様慎重に張った結果、殆ど中は濡れずに快適だった。シングルウォールだと結露するのは必然だが、タオルも絞れるびしょ濡れは濡れ過ぎで、先ずは浸水を予期して養生すべきだったことは教訓だろう。テントの防水の悪化も疑わないといけないのかも知れない。

 重量物はザックの上方に、は原則だが、テントは体積当たりの重さでは重量物とは言えず、自分もテントはザックの底に入れている。雨中の撤収では、テント以外をザックに仕舞っておいて最後に濡れたテントをザック底の別室に押し込むことは理に適っている。


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